電磁弁・電動弁・空気操作弁・緊急遮断弁

電磁弁、ソレノイド弁、ソレノイドバルブの使い方や用途、また他の機材との違い等を説明しています。

電磁弁あれこれ

電磁弁(でんじべん)もしくは、ソレノイド弁、ソレノイドバルブとは電気的駆動弁の一種です。電磁石(ソレノイド)の磁力を用いてプランジャと呼ばれる鉄片を動かすことで弁を開閉する仕組みを持つもので、流体を通す管での流れの開閉制御に用いられます。

電動機(モーター)で駆動する電動弁にくらべ、電磁弁は応答速度が速いことが特長であるが、構造上、全開か全閉のいずれかの状態しか保持できません。このことから、中間を保持することで流量などを細かく制御できるタイプの弁と区別して、切替弁や方向制御弁と呼ばれることもあります。

電気的駆動弁のうち約8割は電磁弁であり、さまざまな用途に合わせた電磁弁が開発、製造されています。身近では、全自動洗濯機や都市ガスなどに用いられます。用途によって、油圧用、空気圧用といった分類をされることがありますが、構造的に明確な違いがあるわけではなく、用途に応じた素材や形状が採用されているにすぎない場合が多いのです。

電磁弁には作動の仕方から、電気を流した時に弁が開くタイプと電気を流した時に弁が閉じるタイプの2種類に分類できます。前者は、流体を流す時間の短いものに用いられ、後者はその逆です。例えば上で挙げた全自動洗濯機であれば、水を流すのは洗濯をする時だけですから、一般には弁を開く時間のほうが短いことになるので前者の通電時に開くタイプが用いられます。また、電源遮断時のバルブ動作を考慮してこの何れかを選定する必要があります。

電磁弁の開閉時にはサージ電流が発生するので、近くの電子機器を破損させる可能性があります。 また、電磁弁までの配線経路で、電気的に絶縁されたケーブルを並行させて配線している場合でもケーブル(配線)のC(静電容量)成分があるため、サージの影響を受ける恐れがあります。

一般の電磁弁は、「開弁」を維持するためには、電源をONしてから「閉弁」にするまで電源を消費し続けます。これに対して、ロック式電磁弁は電源を短時間(約1秒)ONするだけで「開弁」させ、すぐ通電を断って電力の消費を最少限に抑えます。これは、電磁コイルとマグネットにより構成される自己保持機構により行なわれるもので、電気が断たれていても電磁弁を開いた状態で保持します。電磁弁を閉止したい時は、また電源を短時間(約1秒)ONさせるだけで閉止するという画期的な省電力タイプの電磁弁です。

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